私が上京して最初にお世話になった方がお花の先生でした。私は本当にいい方にめぐり会ったと何年も後になって実感しました。その時先生に随分叱られました。「貴女は東京の怖さを本当に知らない。怖いもの知らずですね。」
確かに怖いもの知らずでした。35年前は東京⇔沖縄間の交通機関の主流は船でした。私も出航するとき家族や友人達と色とりどりのテープで別れを惜しんで2泊3日かけて晴海ふ頭へ向かいました。迎えもなく右も左もわからないままタクシーを拾い水道橋へ向かったのですが、私が行き先を国鉄の水道橋駅と言わず、水道橋とだけ言ったものですから、タクシーは水道町というところへ行ってしまいました。散々探してわからなくて、知人からもらった訪ね先の住所を運転手さんに見せたら水道町ではなく三崎町で最寄の駅が水道橋ということがわかり運転手さん納得して今度はその住所の前までちゃんと運んでくれました。車中で私がはじめて東京に来たこと右も左も何もわからないこと・・。運転手さんはやさしく「東京は怖いところだからだまされないように気をつけないと駄目だよ。」タクシー料金ですが、運転手さんが水道橋から三崎町に向かう時このままだとメーターがどんどんあがってタクシー料金とんでもない金額になってしまうからと“空車”扱いにしてくれたので、確かタクシー料金3,500円前後ですんだと思います。とても親切な運転手さんでした。その方の名刺をいただいたのですが一度もお礼の電話をすることなく、というより名刺がどこかへいってしまって連絡できませんでした。運転手さん、あの時はありがとうございました。